障害年金の診断書を書いてくれない医師 – うつ病など精神疾患の場合

障害年金の診断書作成してもらえない? 障害年金

障害年金の診断書を書いてくれない医師は本当にいるのか

私の体験談

私の体験談では、1回だけそういう医師に当たったことはあります。クリニックの院長でもある精神科医の方でした。その医師が言うには「あなたは障害年金を申請しても通らないから」というものでした。明確に「断る」と拒否されたわけではありません。その医師がなぜそのような言い方をしたのかは私なりの解釈を後から述べます。

とりあえず結果だけを説明すると、私は別の病院に転院しました。転院先の病院の医師には無事に障害年金の診断書を書いてもらうことができました。その後日本年金機構に障害年金の申請をした結果、障害であると認定され障害年金を受給できることになりました。

ネット上でも「障害年金の診断書の作成を断られた」という情報はある

障害年金の申請を考えてググッたことがある方なら目にしたことがあるはずです。もちろん私のブログも含めてあくまで個人が書いているブログやSNSの投稿ですから信憑性のほどは著名なメディアには比べるべくもありませんが、そうした声があることは押さえておくべきでしょう。

私がネット上や実際に合った人たちから聞いた話では、医師から「障害年金を受給したらあなたの自立の妨げになる」と言われたとか、引き受けてくれはしたが、のらりくらりとなかなか書いてくれないとか、そういったエピソードを聞いたことがあります。

法律の話 – 医師は診断書の作成を拒んではならない

ではまず法律の面からこの話題について見ていきます。日本の医師の職務を規定するのは医師法ですが、その医師法第十九条二項 では以下のように定められています。

第十九条
 診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない

出典:医師法

つまり、患者から診断書を作成してほしいと求められたら、医師はそれを拒むことはできないのです。この点は障害を抱える当事者としては必ず押さえておきたいポイントです。

すると上で挙げたような明確に断る例などは法律に照らせばアウトということになります。私が体験したケースでは医師は明確に拒否の意思は示さなかったので、おそらく医師法を意識しての対応であったのだろうと私は解釈しています。

では、上の引用で青色でマーキングした「正当の事由」とは具体的にはどういうことなのか。これについては医師法には明記されていませんが、以下のWEBサイトでは弁護士の方が以下のように解説していますので引用します。

では、この「正当の事由」とはどのような事由を指すのでしょうか。
 一般的に、診断書を交付することが不正な目的達成の助力となる場合等は「正当事由」があり、診断書の交付を拒否することができると考えられます。具体的には、診断書が恐喝や詐欺に利用される可能性がある場合などです。

出典:エピロギ

さらにもう一つ、別のWEBサイトから引用します。こちらは医師の方が書かれています。

診断書発行を拒むことができる正当な事由としては,以下の場合がある.
 (1)患者に病名を知らせることが好ましくない時(がん告知が拒否されている場合など)(2)診断書が恐喝や詐欺など不正使用される恐れがある時(3)雇用者や家族など第三者が請求してきた時(4)医学判断が不可能な時.
 (3)は患者のプライバシー守秘義務に抵触するからであり,本人ないし承諾権者の承諾がある場合は発行しなくてはならない.

出典:日経NEWS

いかがでしょうか。弁護士の方の意見としては診断書が不正な目的に使用される場合はその作成を拒否できると要約できます。いっぽう医師の方が書かれた内容からは以下のようなケースの場合に診断書作成を拒否できると読み取れます。

  • 診断書が患者の健康/生命に害をなす恐れがある場合
  • 診断書が不正使用される恐れがある場合(弁護士の方の意見と同じ)
  • 患者以外の第三者からの請求の場合

以上をふまえると、私がネットや人聞きで聞いたような「あなたの自立の妨げになるから」といった理由で診断書の作成を拒むことは、法律に照らせば完全にアウトということになります。

現実的な話

ここまでは法律の面から解説をすすめてきましたが、ここからは障害をもつ一人の当事者として現実的な話というか、もう少し身近な観点から私自身の体験も交えつつ進めていきたいと思います。

医師法を盾にするのはオプションとして – 信頼関係への影響もよく考える

医師は患者から診断書作成を求められた場合に正当な理由なく断ることはできないことはわかりましたが、では実際に障害年金の診断書作成を渋られた際に、法律を盾に強硬に要求するのがいいのかはケースバイケースだと思います。特に精神科の場合は医師との信頼関係が他の診療科よりもより重要であることは私は当事者として痛感しています。ですのでそのような対決姿勢ともいえる態度で強硬に要求した後も、その医師との信頼関維持していけるかどうかということも考えなければならないでしょう。

ですのでまずは、なぜ書いてもらえないのかを直接尋ねてみて、話し合いで解決できるようならそれが一番いい結果かと私は思います。

診断書作成は医師にとって大変な作業であることを理解しておこう

障害年金の診断書 – いまどき「手書き」である

障害年金の診断書は、まず自分で年金事務所に行って白紙の診断書をもらってきてそれを医師に渡して手書きで書いてもらうことになります。A3サイズの診断書にびっしりと細かく手書きするという作業をお願いしないといけないわけです。
症状が間違って日本年金機構に伝わってはいけないから言葉の使い方には十分に注意して記載する必要があります。さらにすべての医師が障害年金の診断書の作成に習熟しているわけではありませんので、経験の浅い医師は様式に習熟するための時間も取られます。いうまでもなくこれは大変な作業です。

診断書の様式は世間にあふれている

生命保険、自動車損害保険、出産証明書、がん保険など多岐にわたります。それぞれすべて様式も違えば守るべきフォーマットもあります。

病院経営の観点から割に合わないという声も

診断書作成作業がこれだけ大変なら、病院側からしたらビジネスとして割に合わないという言い方をしたくもなるでしょう。
上で述べた、私が診断書作成を拒まれた医師は経営者でもある方でしたので、病院経営という観点からもなおさら書きたくなかったのかもしれないと解釈しています。

統計データやアンケートがあるわけではないのであくまで私個人の体験による意見ですが、勤務医の方は比較的快く障害年金の診断書作成に応じてくださる方が多いと感じています。

あともう一つ、特に年配の医師の方は職業としての医師であると同時に「人生の師」のような立場で患者と接する方がたまにおられますが、そのような方が先に説明したような「あなたのためにならない」などという言葉を使われる傾向にあるのではないかと想像します。私も実際にそのような医師の診察を受けていたこともあります。

相談できるところ

社会保険労務士

有料にはなってしまいますが、社会保険労務士(社労士)に相談する方法もあります。基本的に障害年金の申請を代行するという趣旨でサービスを提供している社労士が多いようです。医師との交渉まで請け負ってくれるかどうかはケースバイケースだと思われるので事前に確認が必要ですが、交渉などが苦手なのでお金を払ってでも人にお願いしたいという場合には選択肢になるかと思います。

どうしても書いてもらえないなら転院を考える

どうしても書いてもらえない、話し合いの余地もない、医師法でのルールについても承知の上で書かない、ということなら転院も考えるべきでしょう。

おわりに

以上、今回の記事では、障害年金を受給するための診断書の作成を医師にお願いする際に踏まえておいたほうがいい情報についてまとめました。
それでは今日はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございます。

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